こんにちは、管理職経験者の新柳です。
前回は自己紹介と初めての管理職体験をお話しましたが、今回は、管理職の仕事を行う上での典型的な課題とその解決策についてお話ししたいと思います。
「伝言ゲーム」とは皆さんご存知ですよね。
簡単に言えば、一人が次の人に伝言を伝え、その次の人がさらに次の人にと続けていくうちに、初めの伝言が全く違うものになってしまう現象です。
これは、意思決定の過程でも起こり得る問題であり、組織の生産性や効率性に大きな影響を与える要素と言えます。
具体的には、現場で問題が生じた際、現場の社員から上司に報告が行われ、その上司がさらに上の上司に報告をするといった流れがあります。
しかし、その過程で、報告の内容が簡素化され、情報が粗くなってしまうことがあります。これが伝言ゲームの問題です。
この現象には2つの主要な問題点があります。
1つ目は時間の問題です。
報告が最終的な意思決定者に届くまでに時間がかかり、その間に問題はさらに深刻化する可能性があります。
2つ目は、意思決定者が粗い情報で意思決定をすることになるため、ミスが生じる可能性が高くなることです。
さらに付け加えると、現場の人々は報告を上司に上げた時点で責任を果たしたと感じ、上司に意思決定を委ねる傾向があります。
これは、組織の効率性だけでなく、現場の社員の自主性や自己啓発(エンパワーメント)にも影響を与えます。
では、この伝言ゲームの問題をどのように解消すれば良いのでしょうか。
答えは、「権限の委譲」です。
つまり、現場にも一定の権限を持たせ、自分たちで意思決定できる環境を作り出すことです。
そうすれば、現場の社員がすぐに問題に対処でき、その結果を上司に報告するというスムーズな流れを作り出すことが可能です。
しかし、これは容易な事ではありません。
何故なら、上長が全責任を負う必要があるからです。
権限を部下に委譲するということは、結果に対する責任も一部を部下に託すことになります。
しかし、最終的な責任はやはり上長が負うことになります。
では、なぜ多くの組織がこの権限の委譲に躊躇するのでしょうか。
その答えは「恐怖」です。
自分が直接コントロールできない部分に対する恐怖、ミスが発生した際に自分が責任を問われる恐怖。
これらの感情が、権限委譲を妨げています。
そして、ここで大事なのが、これらの恐怖は「上長自身の未熟さ」から来ているということです。
完全なる権限委譲は、自分自身の成熟度、信頼できる部下への信頼度が試される瞬間でもあります。
次回は、この権限委譲の問題についてもっと深く掘り下げ、具体的な解決策についてお話しします。
現場の声を上に伝え、伝言ゲームを避けるための、具体的な方法論について考えていきましょう。
これからも皆さんの管理職としての成長を応援しています。
次回も、ぜひお楽しみに!
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