みなさんこんにちは。
昨今は企業では既存の仕事を淡々と進める人材よりも、新しい取り組みに積極的に挑戦してくれる人材に対するニーズが高いです。
これは、世の中が大きく変化していることの証であり、企業の経営層が進むべき方向性を見失っていることの証でもあります。
今回は会社でよくある新規事業立ち上げ話を例に、人材の違いを比較してみたいと思います。
現状維持人材と変革促進材の違い
みなさんが仕事で上司から「新規事業を立ち上げてくれ」って言われたらどうしますか?
考えられる回答はこんな感じでしょうかね。
- 「やったことがないので分かりません。」
- 「やったことはないので、まずは新規事業について少し調べてみます。」
- 「分かりました。3ヶ月ほど頂いて検討させてください。」
- 「分かりました。1週間お時間を頂き、まずは当社が手掛けられそうな分野を2、3ピックアップしてみます。」
みなさんが上司だったら上記の内どの回答が欲しいですか?
1の回答をされると上司としては相当辛いです。
この回答をする人は自分を変えようとする意志がないと判断され、新しい取り組みに声が掛かることはなくなるでしょう。
しかしながら、企業の既存業務を継続していくという意味では有用な人材ですので、あくまで新規事業には向かないという意味です。
ただし、上司としては自分に協力する気がないのかなとガッカリしてしまうので、この回答をすると出世の道も険しくなると思った方がいいでしょう。
2、3の回答をするのがほとんどだと思います。
僕の身の回りを見ても、サラリーマンの9割以上がこの回答をするだろうと推測します。
「検討させてください」
この言葉はサラリーマン社会では本当によく使われます。
検討という言葉には多くの意味が込められていて、言っている方も言われている方もこの言葉の意味をお互いに曖昧に捉えて会話をしているのが実情だと思います。
と言いながら僕自身もよく使っているので、僕が使っているときに裏に込められている意味をまとめてみました。
ちなみに僕の場合、IT企業の役員をしておりますので、以下の例はその観点での検討の1例です。
- 自分ができることか
- 相手の役に立つことか
- 経済合理性はあるか
- 社内体制は組めるか
- 納期はいつ頃が妥当か
- リスクはどれぐらいなのか
- 会社のブランドは向上するか
- 社員が楽しめる仕事か
- 他の役員はどういう意見を持っているか
- 担当する部門の部門長はどういう意見を持っているか
など
このようなことを検討するために、事前に色んな調査をした上で検討をしていきます。
一般的には検討という言葉が出た時点で、長い時間を要すると捉えた方がいいです。
2、3の回答がほとんどではありますが、残念ながらこれでは企業の変革が成功に至ることはほとんどなく、もし至れたとしても長い時間がかかります。
4の回答ができる人はサラリーマンの中ではかなり有能です。
僕の感覚では1割いないと思います。
このような回答は、実務能力、利他的精神、結果を出す自信が備わっていなければできるものではありません。
「新規事業を立ち上げてくれ」と言われた時の回答4をもう1度書きます。
「分かりました。1週間お時間を頂き、まずは当社が手掛けられそうな分野を2、3ピックアップしてみます。」
この回答をする人は、「新規事業を立ち上げてくれ」と言われたと同時に色んなことを瞬時に考えます。
先程あげた検討項目を頭の中で検討したり、相手の本音を探ろうとしたり、その場で新規事業の案を思いついたりします。
そして不確定な要素がたくさんありながらも、自分の頭で仮説を立てながら、1週間という期日を自ら設定するとか、分野を2、3ピックアップするなどの具体的な数字を伴った提案が出てきます。
とにかくスピードが圧倒的に早いことと、不確定要素に仮説を立てて進める力があります。
企業の経営層からすれば、こんな人材がいたらいいなと誰しも思うことでしょう。
このような人材をどうやったら得られるかという話は、また別の機会にさせていただきます。
今、ほとんどの企業が現状維持人材で溢れています。
そして企業の変革を求めて、変革促進人材を求め始めています。
でも僕の感覚では、本心では現状維持を望んでいる企業が多いのが透けて見えます。
原因は色々あります。
経営者の本気度、経営者と現場の考え方のギャップなどが主な要因だと思います。
変革促進人材は、この辺を敏感に察知します。
そして企業が本気で変革する気がないと見抜いたら、会社を去ったり、変革意欲を抑えたりします。
変革を望むか望まないかは自由です。
もし、変革を望むと公言している企業は、定期的に本気度を確かめる必要があると感じています。