新柳の教え

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スピーチが苦手な人が読むべき本

みなさんこんにちは。

 

今回はスピーチをテーマにした本をご紹介します。

 

スピーチの教科書(著者:佐々木繁範)

 

スピーチの本というと考え方や心構えなどの本がすごく多い気がしますが、この本は具体的なテクニックがふんだんに書かれている本です。

 

スピーチの苦手な人がスピーチを頼まれたりすると、ほとんどパニックな状態になります。

そして何をしていいか分からずに右往左往してしまいます。

 

この本をしっかり読み込んで、書いてあることについて行動を起こすと素晴らしいスピーチができるようになると思うような内容でした。

 

以下、いくつかピックアップしてご紹介いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

1.緊張のコントロール

スピーチのプロセスを大きく分けると以下の2つになります。

  • リハーサル
  • デリバリー

「リハーサル」は話す内容を準備をするプロセス

「デリバリー」はスピーチの実施プロセス

 

緊張のコントロールは「デリバリー」のプロセスにおける対応となります。

ですので「リハーサル」のプロセスは後述することとし、「デリバリー」のプロセスをご説明します。

 

演台に上がる前の心の準備

スピーチをする前に、静かなところで心を静めます。

そして、聴衆の置かれた状況を思い浮かべます。

具体的には以下のようなことを思い浮かべます。

  • どんな困難に遭遇しているのか
  • どんなに苦労してその困難を克服しようとしているのか
  • うまくいっているのか
  • うまくいっていなければ、いまどんな心境にあるのか
  • どんなことに挑戦しようとしているのか
  • 聴衆の胸はどんな感情で満たされているのか
  • 期待と不安の入り混じった複雑な心境なのだろうか

このように聴衆の立場に立って、聴衆の気持ちを想像します。

演台に上がる時

演台に上がるとき、あなたの緊張はピークに達すると思いますが、安心してください。

手元には、心を込めてしたためたスピーチ原稿があるはずです。

それを堂々と広げて構わないのです。

スピーチの目的は、格好良く思われることではありません。

あなたが愛情を込めてしたためたメッセージを聴衆に伝えることです。

原稿を読むことは恥かしいことではありません。

ジョブズだってそうしたわけですから。

 

特にスピーチが得意な人にありがちですが、スピーチで原稿を読むことを軽蔑する人は多くいます。

だからものすごい努力をして暗記をしようとしたりします。

 

でも違うんです。

 

いけないのは「原稿」ではなく「棒読み」です。

引用で言っているジョブズというのは、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式でスピーチをした有名な場面の話です。

ジョブズは原稿を読み上げていました。

でもそのスピーチは世界中で有名になるほど素晴らしいものでした。

 

だから「棒読み」にさえならなければ、原稿を持ってきて読むのは何の問題もないと強く思いましょう!

 

スピーチに苦手意識がある人の3つの心配

スピーチという特別な場に関する心配

そもそも人前でスピーチをする場合に、どんな点を押さえておかなければならないか、どんな注意点があるか、といった不安です。

例えばどういう話をすればいいか、原稿を見るのは良くないか、視線はどこに向ければいいか、など慣れていない人は周りの目を気にして「いかにして恥をかかないようにするか」ばかりに目が行きます。

 

これらの疑問が本書を読むと解消できます。

解消するための5つのポイントをお伝えしておきます。

  • 場と聴衆を知り、メッセージを考える
  • オープニング、ボディ、クロージングの3部構成でスピーチを構成する
  • ボディはシンプルで論理的な構造にする
  • 聴衆のことを思い、たとえ地味なスタイルでも、心を込めて聴衆に語りかける
  • 原稿を参照することを恐れない

スピーチが苦手な人の特徴は自分にばかり目がいくことです。

これらのポイントはすべて聴衆のために何をすればいいかという視点です。

これが大きいポイントだと僕は思います。

 

スピーチの内容に関する心配

スピーチ本番で、きちんとした内容の話ができるか、聴衆に笑われたりしないか、という不安です。

これはスピーチ原稿を十分時間をかけて準備することで解消します。

 

スピーチの苦手な人は意外と準備をしません。

どちらかというと現実逃避をする人の方が多いのではないでしょうか。

そしてスピーチの当日が近づいてくるにつれて、どんどん恐怖が高まっていくのです。

 

これは人間が陥るよくある傾向です。

 

入念な準備をすることで自分自身が成長していくのです。

そして、成長により苦手度がどんどん下がっていくので自分の気持ちが楽になって行きます。

 

スピーチのデリバリーについての心配

スピーチ本番で、果たして準備した通りに話ができるだろうかという不安です。

これに対する対処は、入念なリハーサルを行い、あなたが使いやすい形に加工したスピーチ原稿を持参することで解消します。

恥ずかしがらずに堂々と原稿を参照してください。

スピーチで大事なことは、形ではなく中身ということを理解しましょう。

 

2.感動を届ける話し方

論理性、情熱、信頼性が揃った時に心は動く

古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、人を説得するスピーチの条件として、論理性(ロゴス)、情熱(パトス)、信頼性(エートス)を挙げています。

簡単に言えば、「わかりやすく」「感情に訴える」もので、「心がこもっている」ということです。

アリストテレスがスピーチについて語っていたことを知り、古代ギリシャの頃からスピーチというものに人間が悩んでいた証のような気がしました。

 

論理性(ロゴス)

筋道を立てて話をすること、つまり、しっかりと理由を説明し、聴衆が納得できるようにすることです。

スピーチにおいては、次の3点と関係してきます。

  • メッセージが明確であること
  • スピーチ全体の構造がしっかりと組み立てられていること
  • 1つ1つの話に合理的な理由づけがあること
情熱(パトス)

感情に訴えること、つまり、喜怒哀楽の感情を刺激することです。

聴衆が、その話に自分のことのように耳を傾け、思わず心が揺さぶられてしまうような力です。

スピーチにおいては、「ストーリーを語る」という手法がよく用いられます。

ある出来事について、自分が何を体験し、何を感じたかを、主観を交えて語ることです。

(中略)

あなた自身の経験や心の動きを交えることで、聴衆に喜怒哀楽の感情を伝え、分かち合うことができるのです。

信頼性(エートス)

聴衆からの信頼を得ることです。

(中略)

そのためには、話し手が十分な知識と経験を持っていること、つまり、本物であるとわかってもらうことが必要です。

それだけではなく、話し手が自分の利益のために話しているのではなく、聴衆を思って誠実に話していることが伝わらなければなりません。

スピーチにおいては、次の3点が関係してきます。

  • テーマの選択:テーマについて十分な知識や経験があること。
  • 内容への確信:話す内容を自分自身が本当に信じていること。
  • 聴衆への思いやり:聴衆の立場に立って、聴衆のために話すこと。

感動のカギはスピーチ原稿にあり

感動の本質は原稿にある。

だから労力を注ぐところはスピーチ原稿を充実させることです。

それがスピーチの真髄であるというのが著者の主張です。

 

感動を生むために、話す内容を考え抜いて原稿を作りましょう!

 

 

 

3.どういうふうに話せばいいか

メインメッセージを決める

スピーチを通じて聴衆に何を伝えたいのか、一言で言えるような中核のメッセージ決めます。

これがスピーチの根幹となるものです。

 

全体の構成

メインメッセージが効率よく伝わるために、構成を考えます。

スピーチの内容は以下の3つに分けて考えます。

  • オープニング
  • ボディ
  • クロージング
オープニング

聴衆の関心をつかむため、聴衆と心を通い合わせるための時間です。

またテーマとロードマップを示す時間でもあります。

本書では事例ベースでいくつかのオープニングを紹介しています。

 

ボディ

スピーチの本体のようなもので、ここで本論を展開します。

 

クロージング

スピーチの締めのところです。

メインメッセージを聴衆の記憶に焼きつけることを目指します。

 

ここではボディについて、少しだけ内容をご紹介します。

 

スピーチの根幹、ボディの基本パターン

この本ではビジネスパーソンがスピーチで使える基本パターンを3つ示してくれています。

  1. ポイント提示型
  2. 問題解決型
  3. ストーリー型

 

ここでは個人的に興味がある「ストーリー型」についてご紹介します。

 

ストーリー型のボディ構成

出来事を伝える際には、事実を簡潔に整理して客観的に説明する方法と、当事者に何が起き、何を感じたのかについて主人公の主観を交えて説明する方法があります。

ストーリー型は後者を用いたやり方です。

 

ストーリー型の典型的な展開は以下のようになります。

  • 状況設定(衝突)
  • 葛藤
  • 解決
  • ストーリーから得た教訓
ストーリー型の効果

◆感情移入

ストーリーという形式は、主人公と同じ目線で出来事を擬似体験するのに大変適しています。

さらには、かつて遭遇した、似たような自分自身の体験を思い出すスイッチとなります。

そのような過程で、聞き手が主人公に感情移入し、共感し、心が揺さぶられるというわけです。

 

◆人の心を開かせる

理屈だけでものを言ってもなかなか伝わりません。

ストーリー型はまず、話し手が経験したことと見做されるので先入観を持たずに聞いてもらえます。

ストーリーが展開していく中で、感情移入したり、擬似体験をしたりして自然に心が開いてくるので、結論やメッセージに対して最初から食わず嫌いになることが避けられます。

 

◆記憶に焼きつく

ストーリーは頭にイメージが湧きやすいです。

プラスして感情を絡めて聞いていると想像力が掻き立てられ、より印象深いものとなります。

頭だけでなく心を揺さぶられることでグッと覚えやすくなります。

 

◆他の人にも伝播する

ストーリー型がうまくいくと、聞き手が感動を覚え、人に話したくなります。

ポイント提示型、問題提起型などの他の型と比べて伝播する力はダントツです。

 

ストーリー展開のコツ

ストーリー展開の方法は、映画やドラマが参考になります。

ほとんどのドラマは「状況設定→葛藤→解決」の3つの部分で構成されているそうです。

 

ストーリーを作る際、この構成をテンプレートとして以下のような質問をしてみます。

 

◆状況設定

  • いつ、どこで、誰が
  • どんな状況下で
  • どんな衝突が起きたか

◆葛藤

  • 衝突によって葛藤があったか
  • 葛藤の克服のために何を行ったか
  • その過程でどんな困難を経験したか

◆解決

  • 最終的にどのように解決したか

◆メッセージ

  • どんな教訓を学んだか

まとめ

「スピーチの教科書」を書いて頂いた佐々木さんはスピーチライターの方です。

偉い人の原稿を書くことがお仕事なので、原稿の重要性を僕らに伝えてくれる方としてはとてもふさわしい方だと思います。

本書はプレゼンの場面よりはその前の準備にフォーカスを当てています。

プレゼンの時のパフォーマンスがいくらうまくても、中身がない話をしていては聴衆が迷惑するだけです。

だから準備が大事。

 

とても共感できます。

 

ろくろく準備もせずにスピーチに失敗し、苦手意識を積み上げてしまうより、同じ失敗をするにしても入念に準備をした上での失敗をしたいものです。

そうしなければ成長は望めないと思います。

 

こういう本を読んでいる僕はもちろんスピーチが苦手です。

だからしっかり読んで、ブログにもまとめました。

あとは実践をしていきたいと思います。

 

 

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