新柳の教え

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横断歩道は歩行者優先だけど、歩行者がゆずってくれてもダメなの?「ゆずりあいの気持ち」はどうなる?

みなさんこんにちは。

 

最近テレビを見ていて少し腹が立ったことがあります。

 

こんな話です。

  • 横断歩道の前で中年の男性が止まっていました。
  • 車に乗っている人は、その男性に気づき停車しました。
  • そしたら中年の男性が手を振って「どうぞ先に行ってください」と合図をしました。
  • 車に乗っている人は、ゆずってくれた人に感謝しつつ横断歩道を通過しました。
  • すると、その先に警察が待ち構えていて切符を切られてしまいました。

歩行者妨害違反 だそうです。

 

「そんな馬鹿な!」

 

僕は歩行者がゆずってくれて、その好意を受け入れたら違反になったということが信じられませんでした。

 

「歩行者のせっかくの好意を受け入れるなってこと?」

「歩行者は車にゆずるという考え方を持ってはいけないの?」

「歩行者がずっとゆずり続けてくれても、ずっと止まっていろってこと?」

 

こういう話になると、社会がおかしくなってしまうなと感じています。

ゆずりあいの気持ち

愛知県警のホームページには「ゆずりあいの気持ち」というタイトルで漫画が掲載されています。

ゆずりあいの気持ち - 愛知県警察

 

漫画の最後にはこう書かれています。

「ゆずった人もゆずってもらった人も、お互いにほっこりとした気持ちに慣れるって、ステキだね。」

 

これは車が歩行者にゆずることが前提に書かれていますが、歩行者が車をゆずることもあっていいと思いませんか?

 

歩行者妨害違反

道路交通法第38条に歩行者妨害違反に関する条文、罰則等が書いてあります。

横断歩道は歩行者優先です|警察庁Webサイト

 

まずは、道路交通法第38条1項をご覧ください。

 

○ 道路交通法の条文
  (横断歩道等における歩行者等の優先)
第三十八条 車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
 
この条文は以下のように解釈できます。
 
歩行者又は自転車が横断歩道を渡ろうとしていないことが明らかであれば、車両は横断歩道を通過して良い。
 
条文の中の「横断しようとする」というところの解釈があいまいなんでしょうね。
 
今回テレビで報道されていたケースを見ると、違反切符を切った警官が、ゆずってくれた歩行者を「横断しようとする」歩行者と解釈したのだと思います。
でもゆずってくれている歩行者を「横断しようとする」歩行者と解釈するのは無理があります。
 
報道では、このようなケースが必ず違反になるわけではなく「状況による」としているそうです。
また、違反かどうかは「現場判断」ということでした。
 

まとめ

法律の条文はすべてを網羅的に書けるわけではないので、状況によりさまざまな解釈や判断が必要になってきます。
 
この解釈や判断がすごく重要だと思います。
 
道路交通法の目的は、危険を防止し安全を守ることです。
そして、法律で規定できないところで「ゆずりあいの気持ち」を大切にしています。
 
これらのことをしっかり頭に入れて解釈・判断を行わないと世の中がおかしな方向に向かってしまいます。
 
僕がたまたまテレビで見た報道における警官の判断が、正しい判断か否かは分かりません。
ただ、もし歩行者が本当にゆずってあげたいと思って車を通したのなら、車で通過した人を違反にする世界にはしてほしくないと思いました。