将棋はオンライン対局でもリアル対局でも強くなれます。
オンラインで将棋をしている人が、オンラインの中だけで将棋を指している分には何の問題もありません。
ただし、オンラインでしか将棋を指したことがない人がリアル将棋の世界に入ってくると問題が生じます。
僕は将棋歴40年、アマチュア3段程度の実力を持つ将棋好きなおじさんです。
中学の頃から将棋にハマり、大学では将棋サークルに入って毎日将棋三昧の生活を送り、大学将棋の大会にも多数出場していました。
なので、それなりに実力も伴っているという自負もありました。
2年ほど前から大学生の息子が将棋を本格的に始めました。
小学校の頃、将棋教室に行かせている時期はありましたがその後将棋は全くやらないでいました。
それがなぜか今は狂ったようにオンラインで毎日何十局も将棋を指しています。
そして息子は実力がメキメキとつき、将棋歴40年の僕を追い抜いていきました。
たった2年でそんなに強くなるなんて思いもしませんでしたが、今は将棋が強くなるための情報がネットに溢れています。
TwitterなどのSNSや将棋ウォーズなどのゲームを通じて強豪と繋がり、教えてもらっているようで僕の若い頃と比べると本当に恵まれているなと思います。
息子は完全にオンラインで将棋を覚えた口ですが、強くなるにつれてリアルに進出したい欲求が出てきました。
リアルの将棋大会出たいということで、アマチュア竜王戦の予選に申し込んであげました。
その時に横で見ていたのですが、リアル将棋におけるマナーがまるで分かっていなく、色んなマナー違反を犯した挙句、最後には必勝の局面で反則負けを喫して負けてしまいました。
リアル将棋しかなかった時代には考えられないことですが、オンライン将棋の普及によりこんな問題も出るんだなと少し驚いています。
そんな背景から今回は、リアル将棋はあまり経験がないというオンライン将棋棋士に向けてリアル将棋における将棋のマナーをお伝えします。
マナー1
礼に始まり礼に終わる
日本の武道に通ずる考え方で最初の挨拶と最後の挨拶は必ず行います。
勝っても負けても相手に敬意を示す態度が必要です。
勝った時にガッツポーズをするなどは以ての外です。
マナー2
指し手と時計を押す手は同じ手で行う
リアルの将棋大会ではほとんどの場合、対局時計を使います。
対局時計は自分が指したらボタンを押します。
そうすると相手の時間が動くのです。
右利きの人はどちらも右手で、左利きの人は左手でとにかく片方の手だけを使うのがマナーです。
時々右手で指して左手で時計を押す人を見かけますがダメです。
マナー3
駒をきれいに並べる
将棋の駒はマス目の中にきれいに配置してください。
マスとマスの間の線上に駒を置いたり、駒の向きが斜めを向いていたりすると自分も相手も駒の配置が分かりづらく間違いのもとです。
駒台の駒もきれいに並べましょう。
基本は駒の種別を揃えて並べ、歩から順番に並べておけば問題ありません。
あとは必ず相手に見えるところに置いておきましょう。
自分の手の中に持っていたり、手で駒台を覆っていると相手が見えないので注意しましょう。
マナー4
指した後駒から手を離したら指し手を変えない
駒を動かした後、手を離したらそれは差し手の完了を意味します。
手を離した後に駒を動かしたら反則です。
僕の息子はこの行為をして反則負けを喫しました。
息子の場合、これが反則ということを理解していませんでした。
マナー5
投了のタイミング
将棋で特徴的なのは、負けは自分で認めるのが原則です。
自分が負けを悟った時に投了し、「負けました」「参りました」「ありません」などの言葉と共にお辞儀をするのが礼儀です。
完全に詰まされるところまで指すのはマナー違反とまではいきませんが、見苦しい態度と見做される可能性があります。
負けを悟った時に投了を告げるのは相手を信用しているという意味でもあります。
プロの場合、中盤でまだまだというところでも投了する場合もあります。
必勝だった局面から大逆転で負けになったりすると、悔しくて投げきれずに詰みまで指す人もいますが、詰む3手前ぐらいまでに投了するのがきれいな姿です。
まとめ
リアル将棋におけるマナーについてまとめてみました。
僕も今はオンライン将棋がほとんどですが、オンライン将棋の場合詰みまで指すことがほとんどです。
駒を触ることもなければ、対局時計を使うこともありません。
相手も目の前にいないので、リアル将棋におけるマナーを学ぶ機会は皆無と言ってよく、オンライン将棋ばかりだと忘れてしまう可能性もあります。
将棋はゲームですが、日本の伝統文化の1つでもあります。
僕は将棋愛好家の立場から、将棋のマナーは大切にして後世に伝えていくべきものと考えています。
ただ将棋が強くなることだけでなく、マナーを守っていくことで将棋の品格を維持していくことに貢献していきたいと思っています。