新柳の教え

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管理職の悩み 部下に任せるということ【その4】任せる③

みなさんこんにちは。

 

今回は管理職の悩み 部下に任せるということ【その4】任せる④ をお届けします。

 

 

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 はじめに

前回は管理職が部下に仕事を任せる際の考え方、具体的な手順を説明しました。

伸びていく管理職は、だんだんと部下に仕事を任せられるようになってきます。

そして、任せ方も上手になってきてそれに伴い、部下も成長していきます。

 

そんなある日、部下の不始末でクレームが発生します。

クレームが発生すると、管理職はぞっと血の気が引いたりします。

恐怖と共に、どうやったら自分に火の粉がふりかからないようになるかと考えてしまうこともあります。

恐怖で頭が働かない管理職は、部下を責め、部下がオドオドすると余計に腹が立ち、こいつには2度と頼まないと決意することもあるでしょう。

 

僕は、そうやって任せられない管理職に戻ってしまった人を何人も見てきました。

残念ながらこういう人は、上層部から疎まれそれ以上の地位を与えてもらう道は閉ざされてしまいます。

いわゆる課長止まりというやつです。

 

生きている以上、クレームやトラブルは必ず起きます。

だから、それを乗り越える力をつけていく必要があるのです。

 

では、どうやって乗り越えるのか、これから見ていきましょう。

 

 部下が問題を起こしたときの対処に慣れる

管理職が部下に仕事を任せられない最大の原因は、部下が問題を起こしたときに自分に降りかかる厄災への恐怖です。

 

1番よくある恐怖はお客様からのクレームです。

ソフトウェア業界の場合、クレームの多くは納期遅延、品質不良です。

 

1人前でない部下のために手を打つ

ここから、僕の属するソフトウェア業界の話をします。

他の業種の方はこの事例をうまく置き換えて考えてくれると幸いです。

 

プログラムのバグというのは、人間がコードを書いてある以上1人前の人でもゼロにするのがなかなか難しいです。

なので、プログラムを作った後、テストを行なってバグを潰していくのですがこのテストも人間がやるケースがまだまだ多いので、テストを経てもバグがゼロにするのが難しいのです。

 

それが未熟なプログラマーならゼロどころか多くのバグを出します。

テストでも多くのバグを残す可能性があります。

 

だから多くの人の目を入れて、テストを入念にやるのがセオリーです。

 

しかしながら、経済面の兼ね合いで品質強化にかけられるコストに制約があります。

時間との兼ね合いもあります。

 

テストに時間とお金をふんだんに使えばバグは限りなくゼロに近づくのは分かっていても、経済性と時間の事情でできないのです。

 

だからシステム開発ではテストの時間を短くするために、プログラム作成や設計書作成などのテストの前の段階で品質を上げておくことをします。

これを品質の作り込みといいます。

 

このようにソフトウェア開発の現場では、品質を上げることに多くの苦労があります。

どこかの工程で誰かが1つでもミスを犯すと、出来上がったプログラムに何らかのバグが出てしまうのです。

 

管理職が1人前でない部下を使いたがらない理由は、1人前でない部下の存在が品質劣化にもろに影響するからです。

 

本質的には1人前でない人間が仕事をしてはいけないです。

でも、仕事で経験を積まないと1人前にはならないので、一時的に1人前でない人間が仕事をするのは避けられないことです。

 

管理職はこのことをしっかり理解して、早く1人前にするべく仕事を経験させる義務があります。

そして、ミスを最小限にする工夫、ミスが起きた場合のリカバリーなどを色々と考える必要があります。

クレーム対応を経験し、1まわり大きくなる

どんなに手を尽くしてもクレームは発生します。

そしてクレームは誰もが逃げたくなるような嫌なものです。

今まで良好な関係で仕事をしていたお客様が、本気で怒りをぶつけてくるなんてことは人生の中でもあまり経験することがないです。

 

そして恐怖のあまり、クレーム対応を上司に頼んでしまうのです。

これは本当にもったいないです。

 

クレーム対応こそ、実際に体験することでしか学べません。

これを逃げていては、いつになっても頼りない管理職のままになってしまいます。

 

クレーム対応の交渉当事者になると人間の本質が見えてきます。

 

クレームを発する人は、怒りの感情を持っています。

そしてその怒りは、想定外のことが起きたことで不利益を被ったために発火します。

 

ですので、怒りを収めること、不利益な状態を解消することをメインに対策を練ります。

基本はロジカルに考えて対策を積み上げるのですが、怒りの感情を収めるために感情に働きかける対応も必要になってきます。

 

クレーム対応の具体的なやり方には今回言及しませんが、相手の方の怒りの感情がなぜ生まれたかをしっかり紐解き、自分達が行なったことの何が問題だったのかをよーく分析することですごく学びが深まります。

 

そして再発防止策を練り、それをお客さんに説明することで説明能力や交渉能力も大きく磨かれます。

 

クレーム対応を逃げずに対応することで、人間的な器も確実に大きくなります。

 

最近は管理職でも、

「俺のせいじゃない」

とか平気で言う人がいますが論外です。

 

部下の不始末でも自分ごととして捉えて自省し、お客様の怒りの感情を和らげ、お客様の不利益の解消を図る。

このような利他的な行動が自分の心を浄化し、器も広がっていくのです。

 

 まとめ

部下に任せるということは簡単ではありません。

でも任せずに自分でやっていたら、いつまで経っても自分も部下も成長しません。

 

部下に任せない管理職のまま10年経過したらどうなると思いますか?

 

きっとダメな管理職という烙印を押されてしまうでしょう。

 

管理職になる人は、大概優秀な実務能力を買われて引き上げられています。

だから、引き続き優秀な実務能力を発揮したくなるのです。

 

でもそれは、管理職の職務をサボり楽をしていることなんです。

自分自身では頑張っていると思っていたとしても、管理職としては衰退の道を歩んでいることを理解してほしいです。

 

とにかくあまり難しく考えずに、部下に任せてみましょう。

そうすれば管理職としての必要な経験は勝手にできるようになります。

 

部下に任せられる管理職が1人でも増えることを願って筆を置きます。

 

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